Nishimura Gallery
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デイヴィッド・ホックニ− David Hockney
『秘密の知識−巨匠も用いた知られざる技術の解明−』"Secret Knowledge"
日本語版
(翻訳:木下哲夫)

世界中で一大センセーションを巻き起こした"Secret Knowledge: Rediscovering the lost techniques of the Old Masters"(2006年、Thames & Hudson Ltd)の日本語版。
西洋絵画史上の数々の重要な作品の制作に鏡やレンズがどのように使われてきたかというデイヴィッド・ホックニ−の自説が、豊富な図版と共に展開していきます。

 

<書評> 

「絵画と光学の関係性を解明」

ポップ・アーティストとして一九六〇年代華々しいデビューを果たし、国際的評価も極めて高いディヴィッド・ホックニーが、二年間にわたる調査、研究の末、二〇〇一年に著した大冊、待望の邦訳である。                   

彼は、名画の描き方に着目し、画家の目で光学と絵画技法の関係性を探る。十七世紀のオランダの画家フェルメールが、カメラの前身といわれるカメラ・オブスクーラを制作時に使用したことは知られているが、ホックニーは十五世紀にまでさかのぼり、西洋画家の線遠近法と光と影の表現は、光学的に投影された映像観察から生じていると仮設する。そしてヤン・ファン・エイクやカラヴァッジョ、アングルといった多くの画家たちがレンズ、鏡、光学機器を用いて絵を描いていたという確信にたどり着く。                                            

三次元の世界を二次元にいかに写し表現するか―。絵画の歴史とは、優れた表現を求めて画家がさまざまな技術を試み、格闘してきた足跡でもあるのだ。彼のアプローチや新解釈は、発表されるやいなやセンセーションを巻き起こしたが、その仮説が全面的に受容された訳ではない。しかし、理解を示した科学者たちの協力を得ながら、ホックニー自身が、レンズ、鏡、カメラ・ルシーダと呼ばれる光学機器を用いて絵を描き続け、当時の技法の実証に迫る様子は、美術史家の発想ではたどり着けない洞察力と情熱とに満ちている。

本物を何回も見に行くとともに、彼は十四世紀から十九世紀までの絵画の変遷を一望するため、アトリエの壁面に名画のデジタルコピーを様式と年代順に並べ、つぶさに比較検証する。ホックニーがグレートウォール(万里の長城)と呼ぶ複製の列は、二十メートル以上にも及んだそうだが、今日の高度な複製技術の恩恵で、彼の検証も可能になった。  収録されている豊富な図版をホックニーの解釈に沿って見てゆくのは、謎解きにも似た驚きがあり、興味はつきない。

逢坂恵理子(横浜美術館館長)※当時は水戸芸術館現代美術センター芸術監督
2006年11月26日(日) 共同通信配信

 

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266ページ 図版510点(カラー図版442点)
発行:青幻舎

《普及版(ソフトカバー)》 2010年10月1日 初版発行
定価6,500円(税別)+送料

新改訂増補版(ハードカバー)》 2006年10月1日 初版発行
定価10,000円(税別)+送料

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